田浦無想古武道(術)の特徴
- 搆(かまえ)あって構なし・・・基本的な構えはあるが構えに固執してはいけないと言う意味であり、考え抜いて、組み立てた技法、演錬に演錬を重ねた技法を搆と言う。
- 姿、形よりも実戦的な技法を重視する。(形骸化した武術ではいけない)
- 神頼みをしない。(神を信じてはいけないと言う意味ではない。武道の世界では修行中に神が現れて極意を授けた・・・とか、夢枕に神が現れて啓示を与えたという逸話が多いが田浦無想流では、人間が極限に至る修行によって得た力を頼みとする)
- 優勝劣敗の原則と破邪顕正の武道(武術)の追求
★ 以上のように田浦無想流古武術は本来、井之久保家・家伝の秘術・術理が土台となっており、秘伝書こそ所持しないが、『普段とかわらぬ生活形態を有しながら、ひとたび戦いが起これば、誰一人として知らない場所で、秘技を尽くして戦い、黙々と任務を遂行する武術であり、そこには優勝劣敗の原則を厳粛に受け止める古武術邪悪と戦う事の意義を信じ、破邪顕正の道を志す古武道・・・この武術も又日本武道の一翼を担う価値はあると思量する次第である。
田浦無想流古武道履修者の心得
- 礼譲・礼節重んじよ。
- 基本的事項の修得が熟練への早道である。
- 武具の点検手入れを怠るな。(常在戦場)
- 稽古着は常に清潔に保て。
- 他流派、会派を誹謗中傷してはならない。
田浦無想流古武道今後の展望
日本の江戸期には多くの武術流派があり、多くの武術研究家達が多くの研究書を発刊しておりますが,古流武術双書−極意相伝第一巻(株式会社愛隆堂)によれば、何千・何万と言う流儀が犇いていた・・・と
のべております。
しかしながら、昭和53年に開催された第一回古武道演武会には、46流派が参加したが、54年に日本古武道協会が設立され、その20回目では39流派しか参加しておらず年の経過と共に参加団体が減少している有様です。
そして、この協会に加盟するには、由緒ある巻き物が必要と(真為は確認していないが−)聞いて居ります。
残念ながら、田浦無想流古武道にはこのような巻物はないが古武道としての武術的価値は十分持っていると確信しております。
日本国内至る所に田浦無想流古武道のような古武道の流派が眠っているのではないのでしょうか?このような多くの流派が眠りから覚めて、島国根性を捨て、相携えて武術的価値を追求していくならば日本の・・・いや、世界に羽ばたく日本の古武道として大きな展望が拓けるものと思います。
海外支部
ヨーロッパ総部と各支部
海外における田浦無想流古武道は、平成19年(2007年)フィンランド国ヘルシンキ市、エストニア国タリン、イタリア国ベニスにその海外支部を開設し
その傘下に海外各地で学ぶ田浦無想流古武術門下生の育成にあたっている。
1 刀術
(小太刀・槍術=七尺槍・九尺槍および袖絡=いら棒術)
- 指導教科過程
- (1) 初伝
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- ア 礼式:刀の持ち方及び刀礼に関する事項
- イ 基本:切り下ろし(第一法・第二法)及び基本的な構
- ウ 型:a活殺五行剣=5本・・・熟練の度合いにより初段・2段・3段に昇格
b鷹の羽九曜剣=9本の中3本まで・・・2段以上
- エ 学科試験・・・ 刀術教範(別売りから出題)
★ 当初は木刀又は模造刀で実施・・・技量の上達に伴い、棟梁又は奥伝
修得者の認可により真剣を使用
- (2) 中伝
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- ア 型:鷹の羽九曜剣=9本全部
- イ 口伝による技能の修得
- ウ 4段は鷹の羽九曜剣9本の中の3本まで各一ヶ所づつの試切り、5段は6本まで各一ヶ所づつの試し切り、7段は9本全部の一ヶ所づつに試切り
- エ 学科試験・・・刀術教範から、初伝よりも高度な内容
- オ 七尺槍(手槍)に関する技術の修得
★ 刀は高価であり自分の刀を保有しない者には本部で貸し出しする。
ただし道場内のみ
- (3) 奥伝
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- ア 口伝による技能の修得(奥技に関する事項)
- イ 教範事項の理解と技能指導能力を有する事
- ウ 人格識見共に優れてること
- エ 各種槍術及び、いら棒術の修得
- オ 学科試験
- 2 杖術
(棒術・槍術=五尺・七尺・太刀鎌術・仕込杖)
槍術については、刀術・杖術との一体化が必要なため、両方の武器の使用に習熟する必要がある
- 指導教科過程
- (1)初伝
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- ア 礼式 杖の持ち方及び杖礼に関する事項
- イ 基本動作(単独動作)第一法=1本から12本
第二法=1本から10本まで
- ウ 型・・・雲流及び無想六根
- エ 棒術の基本及び手槍の基本事項
- オ 学科試験
- (2)中伝
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- ア 組動作・・・第一法=1本から12本
第2法=1本から10本まで
- イ 棒術・・・型=六趣金剛及び柳蓬無想
- ウ 杖術・・・型=乱れ雲
- エ 各種槍術・立鎌術・仕込杖及び仕込竹術の基本事項
- オ 学科試験
- (3) 奥伝
- 概ね刀術に準じる
- 3 柔術(捕縛術)
(捕縛術・短剣捌・捕手小具足=古式捕手)
- 指導教科過程
- (1) 初伝
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- ア 礼式=道場への出入りの要領および礼の仕方等
- イ 基本的事項・・・受身・逆手/関節技・投技(座法及び立法)
- ウ 当身の基本事項
- エ 座法・・・転掌=12本・北振座法21本の中から受験段区分により示す技
- オ 学科試験
- (2)中伝
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- ア 自護体技・古式捕手等
- イ 絡手12法及び短剣捌
- ウ 座法の応用・捕縛術
- エ 学科試験
- (3)奥伝
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- ア 当身技・座法等の各種技の応用
- イ 逆手・・・関節・・・投技・・・固技・・・捕縛術等の連続技
- ウ 学科試験
- エ 人格、識見共に優れている事
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